忘れたくない、忘れるものか。

忘れたくない。

忘れるものか。

そう、胸に刻んだのは、2008年10月1日のこと。

私は次男を出産しました。

長男の出産から約2年。
はじめてのこともあって、無我夢中だったお産とは違い、
2度目ということもあり「最後かもしれない」
そんな思いも手伝って
「絶対に、忘れないように」そう、強く、強く思いました。

次男を出産後、分娩台から降りてすぐに
窓をあけて全身でその「瞬間」を感じたのを覚えています。

オレンジ色と金色が入り混じった、夕焼けが始まりそうな輝く空と
風に揺れる草木のかすれた匂い、
生暖かい風に包まれた穏やかな、
そう、ゆったりとした満ち足りた時間でした。

だから、我が子の名前は「裕生」

絶対に忘れたくない、
そう思っていたはずなのに。

思い出せるのは五感で感じたすべて。

ああ、あの空を撮っておけばよかった。

残しておきたかった。
そう、今なら思う。

あの空は、あの時だけしか見れなかった。

ぼんやり霞にかかった記憶には、
ただただ穏やかで、幸せだったということ。

そしてきっと、今日の日を私はいつかまた思い出す。

朝起きてすぐに交わしたのは「おはよう」じゃなかったこと。
怒りながらも作ったサンドイッチ。
ライオンとキリンの絵をいきなり描き始めて、それがとても上手だったこと。
宿題を解けた後の誇らしげな「えへへ」と「うふふ」が混ざった音。

そういう些細なことは覚えていられないと思うのだけれど。
ただ、ただ、いとおしく思い出すんだ。

この日々を。

忘れたくない、そう思いながらも、
遠い記憶となる日々を。

だから、残すんだ。
写真というカタチで、この日々を。

片道10分の道のりが1時間以上かかったあの日。
アスファルトと歩道の隙間に見た小さな緑。
見つけるたびに拾わされて、両手いっぱいになった落ち葉。

全身で私を求めて泣いて、
ゆっくり入れなかったトイレや
その声に焦りながらも少しうんざりした気持ちで干した
洗濯物のあの白さ。なぜか涙がでた日。

うつぶせの姿から戻れなくて、
必死に頑張ったんだけど戻れなくて、
手が抜けなくて困惑したあの顔。
その後、真っ赤になって泣いたあの姿を。

もう、見れないから。

この「今」はここにしかない、と知っているから。

初めてベビーマッサージをした日の
あの心が通ったような感覚。
むちむちで柔らかい肌と、気持ちよさそうに「あふ~」といった声。
硬くてずっしりした足に、「はあ~気持ちいい」と言える今を。

忘れたくないから。

だから、赤ちゃんとママの「今」を大切にします。
お教室でも、写真でも。

ずっとは続かない、この日々を。
残したい、忘れるものか!

そう、感じたら、Heartfulにいらしてください。

 

Follow me!